ハードディスクのデータを復旧する方法(物理障害編)

物理障害のハードディスクからデータを取り出す

物理障害のハードディスクと言ってもさまざまな場所が壊れます。ここではよく壊れがちな基盤(回路基板)の修理方法について解説します。

よく基盤は絶対に交換しないでくださいと書かれているサイトを見かけますが、結局の所、きちんとした手順で交換するとデータは読み取れる場合が多い。と言う事です。

まずは修理前と修理後のハードディスクを見ていただきましょう。

修理前のハードディスク

※ヘッダーの動きが分かりやすくする見せる為にあえてカバーを外していますが、カバーは外さなくて良いです。ヘッダーが動きますが全くデータを読み取りません。このハードディスクの症状は規則的にカッコンカッコンと言うリズムでヘッダーが動いています。個体差により別の症状になるハードディスクもあります。

修理後のハードディスク

データのある位置へヘッダーが適宜移動しています。データーも読み取れるようになりました。

最初に

絶対にデータが読み取れる保証はできませんのであくまで自己責任でお願いします。どうしても心配な方は専門業者に委託しましょう。

概要

「壊れたハードディスクの基盤」を「壊れていないハードディスクの基盤」と交換します。

準備するもの

  1. 壊れたハードディスク
  2. 壊れたハードディスクと同じメーカー同じモデルの動作するハードディスク。できればロットも近いほうが望ましい。
  3. 星型ドライバー
  4. 半田こて
  5. 半田吸い取り線

基盤を外す

星型ドライバーで、壊れたハードディスクと壊れていないハードディスクそれぞれの基盤のネジを外し下の画像の様に取り外します。

このまま壊れたハードディスクに取り付けると言う解説サイトもありますが、それは誤りです。理由はフラッシュメモリーを移植しなくては使えないと言う点です。

フラッシュメモリーとは何か?

この基盤では赤丸の場所にフラッシュメモリーがありました。

拡大写真です。大抵のハードディスクはこの様なタイプのフラッシュメモリーを使っています。画像に似たチップを基盤から探します。

フラッシュメモリーの移植

古いフラッシュメモリーと新しいフラッシュメモリーが混ざっても分かるようにマークしておきましょう。

半田ごて30Wくらいと半田吸い取り線を使って、それぞれのフラッシュメモリーを取り外します。

取り外したフラッシュメモリーを半田ごてを使って移植します。

基盤を取り付ける

基盤を元通りにネジで止めれば完成。

動作確認

ハードディスクをパソコンに接続し、動作確認します。本当に基盤の故障だった場合は大抵この方法で解決できます。ロットや製造工場の違い等の理由で解決できない場合もあります。

修理できたからと言って使い続けるのはやめてデータを退避できたら速やかに処分する事お勧めします。